「公文」の特徴、メリットとデメリット。 成績の悪い子の実力も、着実に上げていける教材と、システム。

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 前回、『中高一貫校。 深海魚さんの脱出法の一つは、「公文」。』という記事を書きました。

 中高一貫校の「深海魚」とは、学校の成績下位層。
その層に入り、そのまま中学校で一年間以上を過ごすと、
そこから、勉強してもなかなか成績を上げ、浮き上がることが出来ないことが多いです。(成績を上げられる子が、少数派)

そのため「深海魚」さんと呼ばれる、ということなのですが、

実は、この脱出法の一つが「公文」。

今の授業、目の前のテスト問題の勉強とは別に、
着実に自分の実力のところ、底から上げていく。
その底力をつけ、本当の学力をつけていく手段、きちんとシステム化されているのが、公文だと思います。

 さて、今回は「公文」のメリットとデメリットを書いてみたいと思います。

 公文の特徴は、学校の教科書には沿っていない教材だということなのですが、
例えば、教科書は、理論立ててキチンとした「説明」が書かれています。

まず、どうするのかの説明を受け、それで実践して練習問題を解いていくのが教科書的な方法。
公文は、この「説明」が極端に少なく、
徹底的に練習問題をだして、実践させて実力をつけていくスタイル。

そして、この練習問題が秀逸で、

とにかく、問題を解いていけば、
次の問題の解答が分かり、その次の問題を解いて回答を出せば、また次の問題の解答が分かる、というような、ヒントのスパイラル。

問題を出す順番、組み立てが絶妙で、
解けば解くほど、次の問題のヒントになっており、次々にどんどん解けるように工夫されている感じです。
(なので「説明」が少ない)

そして同時に、練習問題を多く説いていく仕組みで、実践の数を増やし、
本当の実力がつき、
誰にも負けないような底力がついて、揺るぎない学力になる、という感じでした。

 多くの子供たちが、小さい頃に公文をして、塾に切り替える、
というのは、
その底力を徹底的につける、いわゆる「基礎」を強固に積めることで、
その上の応用問題を楽に解けるようになる、ということだと思います。

公文は、「高校で困らないように」というコンセプトがあり、

高校生になったら、公文のスゴさが分かると言われたりするのですが、
たしかに、今までバラバラにみえていたような基礎力の、それぞれのパーツが高校の勉強の時点でそろい、いつのまにか実力をつけていたような状態になって、
高校の学校の勉強でよく理解できるようになっていて、驚く感じかもしれません。

 小学校の教師をしている知人に聞いたのですが、
小学校で問題なのは、足し算、引き算、掛け算、割り算、などの、
基礎の練習量が足りないと、ここから上に上がっていくことができないこと。

よく「足腰が強い」などという表現がありますが、
公文は、勉強の足腰を徹底的に鍛え、
公文をしておくと、本当に勉強したいと思ったときに、上に上がっていける、という感じです。

スポーツでも何でもそうですが、上手くなるためには、
理論理屈を分かりやすく説明する、ということに重きをおく、教科書や参考書てきな勉強と、
そのほかに、
「徹底的に実践で練習して鍛える」、ということが必要ですが、
子供の頃にスポーツをして体の中心軸、体幹ができ、足腰、基礎が十分に出来ていると、何のスポーツもある程度こなせる、ということがあります。

公文は、その勉強版というイメージかもしれません。

公文のメリット主な所は、以上のことと、
人(教師)の口で、一つ一つ説明して教えなければ分からない、というのではなく、
「自学自習」、自分自身で教材をしながら学んで勉強を進めていくことができることで、学びの時間短縮になりますし、
書いてあるものから、自分で考えて理解していくことができるようになってくるということ。
また、学年を超えて、自分の本当の実力の勉強を、自分の年齢より低いところから、ずっと上のところまで自分に合わせて勉強でき、
ずっと下の深海魚さんからの浮上もできますし、
さらに、大きな先取り学習も可能なところなどだと思います。

 デメリットとしては、小学校中学校の教科書には合っていないので、
小学校などでは、学校の成績と、公文の進度がいまいち関連しないことがあり、
その学年(小学生など)の時点でのメリットが、本人にはあまり感じられないことがあること、
高校になるまで公文のスゴさが分からなかったという方も多いようです。

また、公文の先生の実力も様々で、必ずしも合う先生ばかりとは限らないこと。

練習問題が多くて、合わない子には合わないこと。
数学の図形問題、幾何などにはあまり対応していない、など、
公文以外の勉強、学校での勉強も必要なこと。

その他、飽きて進まない、本当に嫌がる、目の前の課題だけをこなすことに集中してしまう等々、人によっては、公文に合わず、それぞれ公文のデメリットと思うことがあるようです。

ただ、スポーツでも練習が必要なように、
勉強も数をこなすことで解けるようになっていくので、練習(問題)が必要。
それを効率的にきちんと順序だてて、考え抜かれた問題を出してくれるのが公文。

東大生の3人に1人は、公文式を経験しているそうで、
私も、東大に合格した人が、ずっと公文をしていたと聞いたことがあるのですが、

公文は世界50を超える国と地域に広がっているそうで、それだけ海外でも認められている、よい教材の一つなのだと思います。

 

 

なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?(祥伝社新書)

なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?(祥伝社新書)

  • 作者:おおたとしまさ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/02/02
  • メディア: 新書
 

 

  

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